GitLab Duo Agent PlatformをオンデマンドのGitLabクレジットとともに活用しているチームは、以前よりも速くリリースし、バグを早期に発見し、かつては数スプリントを要していた作業を自動化しています。しかし、導入が拡大するにつれ、財務・調達・プラットフォームの各チームから、AIへの支出が適切に管理され、予測可能で制御可能であることを示すよう求める声も高まっています。
AI導入拡大の最大の障壁は、テクノロジーへの懐疑心ではありません。支出管理に対する不安です。予算上限がなければ、忙しい月に予期しない費用が発生するリスクがあります。ユーザーごとの上限がなければ、一部のヘビーユーザーが月末前にチームのクレジットを使い切ってしまう可能性があります。どちらの仕組みもなければ、ソフトウェア開発においてエージェント型AIの活用を拡大したいエンジニアリングリーダーは、予算承認のために多くの手順を踏まなければなりません。
一般提供(GA)の開始以来、GitLab Duo Agent Platformは利用状況のガバナンスと可視化の機能を提供してきました。GitLab 18.11では、GitLabクレジットの利用制御機能として、支出上限と予算ガードレールを新たに導入します。これにより、組織はクレジットの消費状況をさらに細かく管理し、透明性を高めることができます。
GitLabクレジットの管理
GitLab 18.11では、GitLabクレジットの消費を管理する3つの層を追加します。サブスクリプションレベルの支出上限、ユーザーごとのクレジット上限、そして上限の状態と適用状況の可視化です。
サブスクリプションレベルの支出上限
請求アカウントマネージャーは、サブスクリプション全体のオンデマンドGitLabクレジット消費に対して、月次の上限を設定できるようになりました。
設定の流れは次のとおりです。
- 上限の設定: サブスクリプションの「GitLabクレジット」設定にある
Customers Portalで上限を設定します。 - 支出上限の自動適用: オンデマンドの利用量が上限に達すると、次の月次期間が始まるまで、そのサブスクリプションの全ユーザーのDAP(Duo Agent Platform)アクセスが一時停止されます。
- 柔軟な調整: 月の途中で上限を引き上げたり無効にしたりすることで、アクセスを復元できます。
上限は月次期間ごとにリセットされ、変更しない限り設定した上限が引き継がれます。利用データはリアルタイムではなく定期的に同期されるため、上限に達してから適用が有効になるまでの間に、わずかな追加利用が発生する場合があります。詳しくはGitLabクレジットのドキュメントをご参照ください。
ユーザーレベルの支出上限
クレジットの消費量はユーザーによって異なります。これは想定の範囲内ですが、一部のヘビーユーザーがクレジットプールの大部分を占めると、他のメンバーが月末前にアクセスできなくなる可能性があります。
ユーザーごとのクレジット上限を設定することで、特定のユーザーが公平な上限を超えて消費することを防げます。
- 一律のユーザー上限: GitLab GraphQL APIを通じて、サブスクリプション上のすべてのユーザーに均一のクレジット上限を設定できます。サブスクリプションレベルの上限とは異なり、ユーザーごとの上限はすべてのクレジットソースにまたがる、そのユーザーの総消費量に適用されます。
- カスタムのユーザー個別オーバーライド: 差別化した上限が必要な組織向けに、GraphQL APIを通じて特定ユーザーに個別のクレジット上限を設定できます。たとえば、スタッフエンジニアには高めの割り当てを設定し、それ以外のメンバーには標準の上限を適用するといった運用が可能です。
- 個別の適用: ユーザーが上限に達しても、GitLab全体へのアクセスは維持されます。停止されるのは、次の請求サイクルが始まるまでのDuo Agent Platformのクレジット利用のみです。他のユーザーは、自分自身の上限またはサブスクリプションレベルの上限のいずれか早い方に達するまで、中断なく作業を続けられます。
可視化と通知
サブスクリプションレベルの上限に達した場合、GitLabは請求アカウントマネージャーにメール通知を送信します。これにより、上限の引き上げ、次の期間まで待機、クレジットの再配分といった対応を速やかに行えます。
GitLab内では、グループオーナー(GitLab.com)とインスタンス管理者(Self-Managed)が、ユーザーごとの上限に達してブロックされたユーザーを確認し、GraphQL APIを通じて上限を調整することでアクセスを復元できます。
予算ガードレールがAI利用のスケールを支援する理由
組織がAI導入を加速させるにあたり、ガードレールは不可欠です。その理由を以下に説明します。
予測可能なAI予算
GitLab Duo Agent Platformの利用制御機能は、オンデマンドのGitLabクレジットを活用することで、AIを予算として管理しやすい予測可能な支出項目に変えます。これにより、ソフトウェア開発ライフサイクル全体にわたってエージェントを展開しやすくなり、財務部門への説明、更新の正当化、四半期ごとの支出計画が容易になります。
ガバナンスとチャージバック
大規模な組織では、AIの消費量を社内予算やコストセンター、部門方針と連携させる必要があります。ユーザーごとの上限は、プラットフォームチームがクレジットを公平に配分し、個人レベルで消費量を追跡するための明確な仕組みを提供します。APIによるインポート機能により、エンタープライズ規模での上限管理も現実的に行えます。GitLabクレジットダッシュボードのユーザーごとの利用データと組み合わせることで、消費パターンを把握し、社内のチャージバックや予算配分プロセスの参考にすることができます。
スケールへの自信
多くのお客様は、少人数のパイロットグループからGitLab Duo Agent Platformを始めます。利用制御機能は、そのパイロットを組織全体に拡大する際のリスクを排除します。予算を保護するハードな上限が設けられているため、数百人から数千人の開発者にDuo Agent Platformを展開しても安心です。想定より早く利用量が増加した場合でも、上限に達するだけで、予期しない請求は発生しません。
シートベース課金と可視性の課題に向き合う
多くのAIコーディングツールは、コスト管理にシートベースのアプローチを採用しています。一定数のシートを定額のユーザー単価で購入する、シンプルながらも柔軟性に欠けるモデルです。開発者がツールを1日10回使っても、まったく使わなくても同じ料金を支払います。さらにベンダーがシート料金に加えてプレミアムモデルや超過料金を導入すると、シートベースのライセンスが約束していたコストの予測可能性が損なわれていきます。
GitLabは異なるアプローチを取っています。ハードな上限と一元化されたガバナンスダッシュボードを備えた従量課金制です。チームが実際に使った分だけ支払うという柔軟性と、強制力のある支出上限によるコストの予測可能性を両立しています。
実際の利用制御シナリオ
一例として、月次予算を守りたい中規模のSaaSカスタマーを挙げます。 200名のエンジニアリング組織が、オンデマンド利用の想定量に合わせたサブスクリプションレベルの上限を設定します。エンジニアリングVPは、新しいチームのオンボーディング中であっても、GitLab Duo Agent Platformの支出が承認済み金額を超えないことを財務部門に自信を持って説明できます。月の途中で上限に近づいた場合、請求アカウントマネージャーが通知を受け取り、上限を引き上げるか次の期間まで待つかを判断できます。
GitLabでは、チーム間の利用を公平に保ちたい大企業とも多く連携しています。 開発者2,000名を擁するグローバルな金融サービス会社がユーザーごとの上限を活用し、公平なアクセスを確保しています。複雑なリファクタリングプロジェクトに取り組むスタッフエンジニアにはAPIを通じて高い個別割り当てを設定し、多くの開発者には標準の一律上限を適用しています。クレジットプールを使い切るユーザーはなく、プラットフォームチームはGitLabクレジットダッシュボードのユーザーごとの利用データを活用して消費パターンを把握し、四半期ごとの予算計画に役立てています。
はじめ方
利用制御機能は、GitLab 18.11を実行しているGitLab.comおよびSelf-Managedの両方のお客様にご利用いただけます。設定場所は、範囲とお客様の役割によって異なります。
サブスクリプションレベルの上限
請求アカウントマネージャーは、Customers PortalでサブスクリプションレベルのオンデマンドGitLabクレジット上限を設定します。
Customers Portalにサインインします。- サブスクリプションカードでGitLabクレジットの設定に移動します。
- 月次のオンデマンドクレジット上限を有効にし、希望する上限値を入力します。
一律のユーザー上限
一律のユーザー上限は、名前空間オーナー(GitLab.com)またはインスタンス管理者(Self-Managed)がGitLab GraphQL APIを通じて設定できます。利用可能な設定方法の最新情報については、GitLabクレジットのドキュメントをご確認ください。
カスタムのユーザー個別オーバーライド
差別化した上限を設定する場合、名前空間オーナー(GitLab.com)とインスタンス管理者(Self-Managed)はプログラムで個別の上限を設定できます。これは自動化やInfrastructure as Codeのワークフローにも適しています。
利用状況と上限のステータスを確認する
- Customers Portal: 詳細な利用状況と上限のステータスを確認できます。
- GitLab.com: グループオーナーは設定 > GitLabクレジットでブロックされたユーザーを確認できます。
- Self-Managed: インスタンス管理者は管理 > GitLabクレジットで上限のステータスとブロックされたユーザーを確認できます。
GitLab Duo Agent Platformはスケールの準備ができています
利用制御機能はGitLab 18.11でご利用いただけます。組織全体にGitLab Duo Agent Platformを展開する前に適切なガードレールを待っていた方にとって、今がその時です。上限を設定し、より多くのチームにDuo Agent Platformを展開して、より速いリリースを実現しましょう!




